熱溶解積層方式の3Dプリンタは、フィラメントと呼ばれる糸状の樹脂を高温で溶かし、溶解ヘッドから押し出すことで造形を行なう。そこで重要になるのが、搭載している溶解ヘッドの数だ。

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パーソナル3Dプリンタは、溶解ヘッドの数によって、使い勝手や機能が大きく変わってくるのだ。溶解ヘッドが1基のみの製品をシングルヘッド、2基搭載したものをデュアルヘッド、3基搭載したものをトリプルヘッドと呼ぶ。低価格なパーソナル3Dプリンタは、シングルヘッドが中心だが、デュアルヘッドが標準となっている製品や、バリエーションモデルとしてデュアルヘッドモデルやトリプルヘッドモデルが用意されている製品もある。

シングルヘッドモデルでは、造形に1種類の材料しか使うことができないので、造形物は1色のみになり、サポート部分(オーバーハングする部分は、下に支えとなるサポート部分の造形が必要)も造形材料と同じ材料で造形されることになる。サポート部分は造形完了後、取り除く必要があるが、同じ材料だと綺麗に除去するのがかなり大変である。

それに対し、デュアルヘッドモデルでは、2種類の材料を同時に利用することが可能なので、2色の造形が可能になるほか、サポート専用材料を利用して、サポート部分を造形することができる機種もある。サポート専用材料は、水やリモネン、アルカリ溶液などの溶媒に浸けることで溶解するようになっているため、サポート部分の除去が容易である。造形物をいくつかのパーツに分けたり、造形方向を変えるといった工夫で、極力サポート部分を減らすことは可能だが、複雑な形状の造形を行なうことが多いのなら、サポート専用材料を利用できるデュアルヘッドモデル(またはトリプルヘッドモデル)をお勧めする。

トリプルヘッドモデルでは、同時に3色を使った造形が可能になるほか、2色+サポート専用材料での造形も可能だが、サポート専用材料への対応が公式に謳われていない製品もあるので、そのあたりもしっかりチェックしておきたい。