3Dデータを手に入れるもう1つの方法が、3Dデータ共有サイトを利用する方法だ。3Dデータ共有サイトは、ユーザーが作成した3Dデータをアップロードすることで、ほかの人が、そのデータをダウンロードできるという仕組みを提供する。写真やイラストなどのデータ共有サイトは以前から存在しているが、3Dデータを共有するためのサイトも、最近の3Dプリンタへの関心の高まりを背景に、次々とオープンしている。

3Dデータ共有サイトのメリットは、3D CADソフトや3D CGソフトを使いこなすスキルがなくても、3Dデータを入手できることだ。その代わり、自分が造形したいものの3Dデータが公開されているとは限らない。

ただし、3Dデータ共有サイトからダウンロードした3Dデータを3D CADソフトや3D CGソフトに読み込ませて、自分好みにカスタマイズするという手はある。スマートフォン用ケースなど、基本的なサイズと形状は決まっており、一部をカスタマイズすれば十分といった用途なら、一からモデリングをせずに、3Dデータ共有サイトの3Dデータを元にすると楽だ。3Dデータ共有サイトの多くは、3Dプリンタの標準3Dデータ形式であるSTL形式を採用しているので、そのまま3Dプリンタで造形できる。また、パーソナル3Dプリンタの動作チェックや調整用としても、3Dデータ共有サイトに公開されている3Dデータは便利だ。

3Dデータ共有サイトでは、無料で3Dデータをダウンロードできるようになっているところがほとんどだが、プロが作成した高品質な3Dデータに関しては、有料で購入できるサイトもある。そこで、代表的な3Dデータ共有サイトをいくつか紹介しよう。

Thingiverse」は、3Dプリンタ「Replicator」シリーズで有名なMakerBotが運営している3Dデータ共有サイトである。Thingiverseは、3Dデータ共有サイトとしては老舗のサイトであり、公開されている3Dデータは質、量ともに優れている。

CGTrader」は、高品質な3Dデータのマーケットプレイスであり、ユーザーが作成した3Dデータを販売することも可能だ。また、無料でダウンロードできる3Dデータも多数公開されている。

日本でも3Dデータ共有サイトがいくつかオープンしている。「mono-logue」は、国内3Dプリンタメーカーであるオープンキューブが運営している3Dデータ共有サイトである。まだ3Dデータの数はそれほど多くないが、サイトが日本語表記なので分かりやすい。

DELMO」は、アドウェイズ・ラボットが運営している3Dデータ共有サイトで、フィギュアの3Dデータに特化していることが特徴だ。実際には、フィギュア以外の3Dデータも公開されているが、3Dデータだけでなく、その3Dデータを利用して3Dプリンタで造形した物体の写真も公開されているので、実際のイメージが掴みやすい。