熱溶解積層方式の3Dプリンタでは、フィラメントと呼ばれる糸状の樹脂を熱で溶解して造形を行なう。機種によって、利用できるフィラメントの素材も異なるので、注意が必要だ。

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パーソナル3Dプリンタでは、フィラメントの素材としてABS樹脂またはPLA樹脂を利用する製品が多い。ABSの方がPLAよりも高温で溶解させる必要があり、冷える際の収縮率も大きいため、基本的にはプラットフォームにヒートベッドが必要になる。

PLAは、ABSよりも低温で溶解でき、ABSに比べて収縮も少ないため、プラットフォームから造形物が剥がれるトラブルが生じにくい。ABSの方が強度が高いとされているが、PLAも決して弱いわけではないので、小さな物体の造形ならそれほど違いはない。ただし、PLAは高温には弱いので、例えば熱湯がかかるような用途などには向かない。

ヒートベッドを備えた製品は、ABSとPLAの両素材に対応しているものが多いが、ヒートベッドを装備していない製品は、PLA専用のものが多い。また、デュアルヘッドモデルやトリプルヘッドモデルでは、造形用材料のほかにサポート専用材料も利用できることが多いが、サポート専用材料の素材が異なると、サポート除去方法も異なるので、そのあたりもチェックしておきたい。